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EGG RECIPE エッグを使ったレシピ

EGG
第5回 アメリカ産乾燥卵 スイーツ・ベーカリシェフコンテスト スイーツ部門 2019年 最優秀賞

Tea apricot bloom

ポイント

「乾燥卵のメリットを活かし、乾燥卵にしか出来ない事」をコンセプトにこの作品を製作しました。鶏卵を使用するレシピを乾燥卵に置き換える事は可能ですが、この作品のレシピを鶏卵に置き換えることはできず、『乾燥卵だからこそ出来る』そんな作品に仕上げました。

受賞者紹介

建元 麿
ホテル日航姫路

まず生地のパートですが、ダコワーズのレシピに乾燥全卵と乾燥卵黄を水で戻さず粉として使用しました。そうする事でダコワーズ生地の外はさっくり中はしっとりとした食感を持ちながらも、ビスキュイ生地と同じように卵の味わいがしっかりとする生地に仕上げています。これは鶏卵で、は絶対に不可能な事であり、今までにない新しい生地のスタイルだと思います。この生地にビスキュイダコワーズと名付けたのも乾燥卵を使う事で、それぞれの生地の特徴を引き出す事が出来たからです。

次に卵とアールグレイのシュトロイゼルのパートは、本来シュトロイゼルに鶏卵は使用しません。しかし先ほどと同様に粉として乾燥卵を使用する事で、アールグレイの味だけではなく卵黄の風味が加わり、シュトロイゼルにはないサブレに近い味わいと、より歯切れの良いパートに仕上げています。

杏仁リキュールのバニラムース、アールグレイのムースのパートは、それぞれパティシエールとアングレーズのムースで製作しました。パティシエールやアングレーズを炊く際に、乾燥卵黄と粉糖、粉類をひとつのボウルに計量し篩っておく事で、ダマになりにくく締麗に乳化するように工夫し、そこに熱した牛乳を数回に分けて入れる事により、乾燥卵黄を水などで戻しておく工程を省き作業時間の短縮をしています。また、乾燥卵は水の戻し率を変えることで濃さを調整できるメリットを利用し、バニラムースのパートは戻し率を含む牛乳の量を減らし卵黄の味を濃くしました。アールグレイのパートは、紅茶の味をしっかりと出す為に戻し率を含む牛乳の量を増やし、それぞれのあった卵の濃さを調整しています。

センターにはアプリコットのジュレとアプリコットのソテーを加え、アールグレイの香り高い味わいとアプリコットの酸味がとてもマッチしています。また杏仁リキュールの杏仁の香りがほのかに鼻からぬけ余韻を与えます。 飾りに使用したアールグレイと卵のサブレも乾燥全卵と乾燥卵黄を粉として使用し、鶏卵で製作するよりもサクサクした食感に仕上げています。またサブレを菊型に抜き、エディブルフラワーを飾る事で花をイメージしtea apricot bloom~ティーアプリコットブルーム~という作品名にしました。

乾燥卵を使う事で、本来であれば卵を使用しないパートでも卵の風味や味を加える事が出来るとともに、バリエーションも増やせます。さらに割卵する手間と水などで戻す工程をなくす事で、より一層作業時間の軽減や効率が上がり、今問題となっている労働時間の短縮にも繋がると考えます。

材料(10個分)

アールグレイと卵のシュトロイゼル/ビスキュイダコワーズ

<アールグレイと卵のシュトロイゼル>
薄力粉
27g
無塩バター
27g
グラニュー糖
27g
アーモンドパウダー
9g
乾燥卵黄
9g
乾燥全卵
7.2g
アールグレイ粉末@1g
<ビスキュイダコワーズ>
卵白
56g
乾燥卵白
1g
グラニュー糖
56g
薄力粉
3.5g
強力粉
3.5g
アーモンドパウダー
42.5g
乾燥卵黄
6.5g
乾燥全卵
4g
粉糖
適量

クレームパティシエール/杏仁リキュールのバニラムース/アプリコットのソテー

<クレームパティシエール>
牛乳
55g
乾燥卵黄
5g
粉糖
12.5g
コーンスターチ
2g
薄力粉
2g
バニラビーンズ
適量
<杏仁リキュールのバニラムース>
クレームパティシエール
50g
杏仁リキュール
2.5g
ゼラチン
0.6g
生クリーム36%
50g
<アプリコットのソテー>
アプリコット缶詰
50g
無塩バター
6g
グラニュー糖
6g
杏仁リキュール
2g

アプリコットのジュレ/アールグレイのムース/ミルクチョコのグラサージュ

<アプリコットのジュレ>
アプリコットピューレ
52.5g
グラニュー糖
10g
21.5g
白ワイン
0.7g
ゼラチン
1.6g
杏仁リキュール
1.4g
<アールグレイのムース>
牛乳
238g
アールグレイ
10g
フォールアールグレイ
189g
乾燥卵黄
25.5g
粉糖
54.5g
ゼラチン
4.2g
生クリーム36%
170g
紅茶濃縮エキス
15.3g
<ミルクチョコのグラサージュ>
ミルクチョコレート
62g
生クリーム35%
20g
ナパージュヌートル
74g
12g
ゼラチン
0.75g

アールグレイのサブレ/飾り

<アールグレイのサブレ>
発酵バター
10g
粉糖
6.6g
乾燥卵黄
3.3g
乾燥全卵
1.6g
薄力粉
13.3g
アールグレイ粉末
0.33g
グラニュー糖
適量
<飾り>
チョコレート
適量
エディブルフラワー
適量
ドライアプリコット
適量
ミントの葉
適量

作り方

1. アールグレイと卵のシュトロイゼル
①バター以外の材料を一緒に篩う。
②細かく賽の目状に切ったバターを①に入れサブラージュする。
③直径6cmの丸型に8g入れ成形し160℃のオーブンで約13分焼成する。
2. ビスキュイダコワーズ
①卵白、乾燥卵白をミキサーボウルに入れ、そこにグラニュー糖を数回に分けて加え、しっかりとしたメレンゲを立てる。
②予め篩っておいた粉類、アーモンドパウダー、乾燥卵黄、乾燥全卵を①に入れ、さっくりと合わせる。
③鉄板に流し入れて伸ばし、粉糖を2回かける。
④160℃のオーブンで約16分焼成する。焼けて粗熱が取れたら直径5cmの丸型に抜く。
3. クレームパティシエール
①牛乳とバニラビーンズ以外の材料を一緒に篩う。
②バニラビーンズを入れ熱した牛乳を①に数回に分けて入れ混ぜ、パッセする。
③②を火にかけて炊く。
4. 杏仁リキュールのバニラムース
①炊けたクレームパティシエールに予め戻しておいたゼラチンを入れ混ぜ、杏仁リキュールを加えて合わせる。
②予め七分立てにした生クリームを①に3回に分けて入れ合わせる。
③直径4cmのセルクルに10g絞り、冷凍庫で固める。
5. アプリコットのソテー
①フライパンに無塩バター、1cm角に切ったアプリコットを入れソテーする。
②グラニュー糖を入れ混ぜ、混ざったら杏仁リキュールを加える。
③杏仁リキュールのバニラムースを絞ったセルクルに中に約4g入れる。
6. アプリコットのジュレ
①アプリコットピューレ、グラニュー糖、水を火にかけて熱する。
②沸騰直前になったら予め戻しておいたゼラチンを入れ混ぜる。
③②をパッセして白ワインと杏仁リキュールを加え混ぜる。
④氷水に付け粗熱が取れたら、アプリコットのソテーを入れたセルクルに8g流し、冷凍庫で固める。
7. アールグレイのムース
①牛乳を火にかけ沸騰直前になったら、アールグレイを入れて8分アンフュゼしパッセする。
②乾燥卵黄、粉糖を一緒に篩い、①を数回に分けて入れ混ぜる。
③②を火にかけ85℃になったら、予め戻しておいたゼラチンを入れ混ぜ、混ぜったらパッセする。
④③に濃縮紅茶エキスを入れ混ぜ、予め七分立てしておいた生クリームを3回に分けて入れて合わす。
⑤直径2.5cmのドーム型の半分まで絞り、冷凍庫で固める。
8. ミルクチョコのグラサージュ
①生クリーム、ナパージュヌートル、水を火にかけて沸かし、予め戻しておいたゼラチンを入れ混ぜる。
②溶かしておいたミルクチョコレートの中に①を数回に分けて入れ混ぜる。
③粗熱が取れたら冷蔵庫で一晩寝かせる。
9. アールグレイのサブレ
①ポマード状にした発酵バターに予め一緒に篩っておいた粉糖、乾燥卵黄、乾燥全卵を入れ合わす。
②①に篩った薄力粉を加え混ぜる。
③②にアールグレイ粉末を加え混ぜる。
④厚さ2mmに伸ばし、6cmの菊型で抜き、更に直径5.5cmの丸型でドーナツ型に抜く。
⑤グラニュー糖を付け、160℃のオーブンで約12分焼成する。
10. 組み立て/仕上げ
①直径6cmのストーン型にアールグレイのムースを半分まで絞る。
②4cmのセルクルに流したアプリコットのジュレ、アプリコットのソテー、杏仁リキュールのバニラムースを①にアプリコットのジュレが下になるように入れる。
③②に少量のアールグレイのムースを絞り、ビスキュイダコワーズを置き、冷凍庫で固める。
④固まったら型から外し、予め直径2.5cmのドーム型に絞り固めておいたアールグレイのムースを真ん中におく。
⑤ミルクチョコのグラサージュを掛ける。
⑥直径6cmに焼成したアールグレイと卵のシュトロイゼルの上に乗せる。
⑦ドーナツ型のディスク状に模ったチョコパーツとアールグレイのサブレを置く。
⑧ドライアプリコット、エディブルフラワー、ミントを飾り付ける。