1.エタノール需要を満たせるだけのトウモロコシは存在するのですか?
米国農務省の試算によれば、2007年のトウモロコシ収穫高は130億ブッシェルを上回ると見込まれています。2007年のエタノール生産量は69億ガロンと推定されますが、この量を生産するのに必要なトウモロコシの量は23億ブッシェルで、これは国内のトウモロコシ供給量全体の約16%に相当します。全米トウモロコシ生産者協会(NCGA)の試算では、遺伝的改良を通じてトウモロコシ収穫高が増えるため、エタノール需要とトウモロコシ供給が今後は同一ペースで推移を続けると予測しています。平均すると、1エーカーあたりのトウモロコシ生産量は、1995年以来、年間3.5ブッシェルの割合で伸びています。過去のデータに基づき、1エーカーあたりの生産量は、2006年の150ブッシェルから2015年までに180ブッシェルに増えるとNCGAは予測しています。1エーカーあたりの生産量が180ブッシェルあれば、作付面積を増やさなくても、エタノール生産量を200億ガロン以上増やせることになります。ハイブリッド品種の場合、現在でも1エーカーあたり最高280ブッシェル生産されているので、360億ガロン以上のエタノール生産が可能となる試算になります。
2.エタノールは市場に過剰供給されるようになるのですか?
エネルギー情報局(EIA)の試算によれば、米国のガソリン市場の規模は現在の約1,420億ガロンから、2015年までに1,630億ガロンに拡大すると見込まれています。全体の米国のガソリン供給に10%ブレンドしたとすると、現在の市場規模で年間141億ガロン必要になり、2015年までに163億ガロンに増えることになります。
全米エタノール自動車連合会(NEVC)の予測によれば、フレキシブル燃料自動車(FFV)の台数は現時点で約600万台ですが、FFVの年間生産台数は2012年まで毎年200万台のペースで増えていくと見込まれています。この試算結果を踏まえ、FFV1台あたりの年間燃料消費量が平均600ガロンとすると、フレキシブル燃料自動車の需要を満たすために、米国のガソリン供給で10%ブレンドを達成するには、今後、エタノール市場の規模を、2015年までに272億ガロン(110億ガロン増)に拡大させる必要があります。
3.食品価格の上昇は、エタノールが原因なのですか?
最近実施された再生可能燃料協会(RFA)の調査によると、エネルギー価格の上昇は、トウモロコシ価格の上昇よりも食品価格に対して大きな影響を与えることがわかります。この調査結果によれば、原油価格が33%上昇すると(この場合、レギュラーガソリンの価格が1ガロンあたり1ドル上昇します)、食品関連の消費者物価指数(CPI)が6〜9%の範囲で上昇することになりますが、同様にトウモロコシ価格が上昇した場合(1ブッシェルあたり1ドル上昇)、食品関連のCPIの伸びは3%にとどまるとしています。また、CPIのうち、トウモロコシ価格の影響を受ける項目(肉類、家禽、魚介類、卵、乳製品)は、全体の15%に過ぎません。
4.エタノール生産の拡大によって、世界全体で食糧として必要なトウモロコシが不足してしまうのでしょうか?
NCGAによれば、エタノール産業が成長を続けても、米国は今後も世界第1位のトウモロコシ輸出大国としての地位を確保するとしています。実際、米国産トウモロコシの50%以上が家畜飼料用で、ヒトの食糧用とされるのは、収穫量全体の10%未満です。米国から輸出されたトウモロコシの大部分は、先進国で飼料として使用されています。
5.トウモロコシ生産者とエタノール・メーカーは、エタノール需要の拡大により最も大きな利益を享受しているのではないですか?
トウモロコシ価格の上昇と農家によるエタノール生産施設への投資が米国の農村部の経済への追い風になっていることは事実ですが、実際エタノール産業の影響を大きく受けているのは、米国経済の他の部分なのです。RFAから委託を受けてJohnM.Urbanchukが最近作成した報告書によれば、エタノール産業の雇用創出効果は、全産業を合計して2006年時点で163,034件にのぼります。この中には、米国製造業で新規に創出された20,000件以上の雇用も含まれています。
6.米国のエネルギー供給に占めるエタノールの割合は小さいにもかかわらず、なぜ問題になるのですか?
米国は、外国産の石油に大幅に依存しており、その依存度も上昇しています。EIAの試算では、2000年から2025年までの間に、米国の石油消費量は44%増となり、輸入依存度も54%から70%に上昇すると見込まれています。再生可能なエネルギー源から米国国内で生産される、エタノールこそ、外国産石油への依存度を減らすためにベストな代替の液体輸送燃料なのです。また、エタノールはオクタン価が高いため、精製量や経済性の改善を図る上で極めて重要な燃料となるのです。
7.エタノールの利用は、本当に環境に優しいのでしょうか?
エタノールによって燃料に酸素が加えられるため、燃焼時に放出される有害排気ガスの量が減らせます。実際、米国肺協会シカゴ支部では、スモッグを形成する排気ガスがシカゴ地区で1990年以降25%減っているとして、エタノール混合燃料を高く評価しています。また、エタノール生成時に排出される二酸化炭素は、エタノールの生産に用いられる穀物やその他のバイオマスによって吸収されます。
エタノールの燃焼は環境にも優しいのです。なぜなら、エタノールを利用する自動車は、一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、炭化水素や非メタン炭化水素の排出量も低く抑えられるとともに、揮発性成分が少ないので蒸発ガスも低く抑えられるからです。
アルゴンヌ国立研究所のGREETモデルによれば、2005年にエタノール入りガソリンが49億ガロン利用されたことで、温室効果ガスが80億トン削減されました。この削減量は、米国の道路上から自動車を100万台排除した場合と同じ効果です。
Renewable Fuels Association
http://www.ethanolrfa.org/ より引用

