A special report

エタノールの原料はスイートコーンではなく飼料用トウモロコシ

「食糧対燃料」の議論の中では、エタノールが飼料用トウモロコシ(ヒトが消化できない原料のままの穀物)から生成される点を見逃されているようである。飼料用トウモロコシは、スイートコーンと違い、ある程度の加工を行わなければ、ヒトが消費することはできない。実際、食用加工用の原料に用いられる飼料用トウモロコシの量は、ほぼ皆無に等しい。例えば、2006-07年の収穫高のうちシリアルに使用されたトウモロコシは全体のわずか1.5%で、さらに、その他の食品向けは全体の約9%である。米国産トウモロコシの大半は、輸出も含めて、家畜の飼料用が占めており、ヒトの食糧用ではない。

2006-07年 米国産トウモロコシの使用法

エタノール生成過程で飼料と食品原料が作り出される

燃料アルコールの発酵過程で生み出されるのは、エタノールだけではない。乾式粉砕エタノール加工に56ポンド・ブッシェルのトウモロコシを用いると、蒸留かす18ポンドが生成される。これは、家畜・家禽のエネルギー源・タンパク源として十分な量である。同様に、トウモロコシ1ブッシェルを乾式ミルでエタノール加工した場合、トウモロコシ・グルテン飼料が13.5ポンド、高タンパクのコーングルテンミールが2.6ポンドのほか、食品加工用のコーンオイルも生み出される。

エタノールを生成することにより、飼料・食品市場に生かすことができないのはでんぷんのみで、脂肪分やタンパク質はそのまま利用できる。トウモロコシの粒のでんぷん部分はエタノールに転換されるが、タンパク質や脂肪分などの栄養分や、ビタミン、ミネラルは、飼料副産物や食品原料にそのまま生かされる。エタノール生成過程で原型が保たれるタンパク質は、世界の食品市場・飼料市場で高額取引される産品である。逆に、でんぷんは豊富に流通しており、相対的に価値が低い。タンパク質が保存される以外に、トウモロコシに含まれている可消化エネルギーの大部分も蒸留かすとしにそのままの形で利用される。

2006-07年、1,200万トン以上の蒸留かすがエタノール工場で生産され、家畜・家禽の飼料として用いられた。トウモロコシが他の市場で使用されるにしろ、昨年5億ブッシェル以上のトウモロコシが蒸留かすに代替されたと試算される。

イエローデントコーンの成分