A special report

トウモロコシは需要、供給量ともに過去最高に

トウモロコシの需要は、トウモロコシを原料としたエタノール生産が急速に伸びてきたことを主な背景として過去最高水準に達している。しかし、見過ごされがちなのは、供給量も需要と同じペースで拡大しているという事実である。需要の高まりを受けて、ここ4年間における米国のトウモロコシ生産量は、過去最高に達した。年間平均生産量を見ると、2003-04年から2006-07年まで平均108億9,000万ブッシェルとなっている(なお、その前の4年間は94億5,000万ブッシェルであった)。2007年には、例年並の天候と、これまでの生産トレンドを考慮すると、トウモロコシ生産量は約130億ブッシェルという記録的水準に到達すると考えられる。ProExporter Networkのデータによると、2007-08年のトウモロコシ需要は2006-07年の水準を9億ブッシェルほど上回ると見込まれており、総供給量も約16億ブッシェル増加すると考えられる。端的に言えば、需要の急増を受けて市場で価格乱高下が生じる可能性はあるものの、トウモロコシ不足は生じていない。

米国のトウモロコシ供給量と総使用量(1988-89年から2007-08年)

トウモロコシ生産者は、市場からのシグナルを受けて作付の判断を下す。トウモロコシ需要が強くなり、作付面積あたりの収入予想額が他の穀物に比べて多くなると見込まれる場合、トウモロコシの作付を増やすことになる。まさに2007年は、トウモロコシ価格が例年水準を上回ったため、トウモロコシの作付面積は9,290万エーカーに伸び、2006年水準を19%上回って1944年以降過去最高の水準となった。

米国のトウモロコシ作付面積(2001-02年から2010-11年)

さらに、1エーカーあたりの収穫高の増加により、今後も全市場向けに十分な量のトウモロコシが引き続き供給されることが予測される。1エーカーあたりのトウモロコシ収穫高を見ると、1995-1996年以降、年平均で約3ブッシェル増加している。過去10年間の実績データの傾向を踏まえると、トウモロコシ収穫高は、2015-16年までに1エーカーあたり175ブッシェルに達すると見られる。トウモロコシ収穫高は、品種改良やバイオテクノロジーの向上により、過去10年間のトレンドが示す以上の速さで増加していく可能性もある。

米国のトウモロコシ収穫高(過去10年間の実績値とトレンド予想)

食糧・飼料向けトウモロコシの需要量は横ばいで推移

その他のトウモロコシの需要区分を見ると、今後は限定的な増加にとどまるという兆候を示していることから、作付面積の拡大と収穫量増加に伴って増える供給の大半は、バイオ燃料の生産に投入されると予測される。過去10年間で、家畜・家禽類部門におけるトウモロコシ需要は、相対的に横ばいで推移している。またトウモロコシに代わり、蒸留かすが家畜用飼料として多く使用されるようになったため、飼料用トウモロコシの量は、将来的には若干減少すると見込まれる。さらに、食品加工向けのトウモロコシの量は横ばいで推移しており、トウモロコシ輸出の傾向も若干の増加程度にとどまっている。

エタノール向けトウモロコシとその他用途向けトウモロコシの対比