Avian Influenza(トリインフルエンザ)とその防疫対策と基礎知識(2)
日本のAI定義は予防的措置が背景に
国際獣疫事務局(OIE)では、HPAIをリストAに分類しています。これはOIEが国際貿易上重要性のある伝染性疾病について特別の国際規約で管理するために設けたもので、リストAとは「社会経済上または公衆衛生面で重要性が高く、大変深刻かつ国境に関わりなく急速に伝播する能力を持ち、かつ家畜および畜産物の国際貿易上重要性の高い伝染性疾病」と定義され、OIEに報告しなければなりません。リストBは「国内の社会経済上または公衆衛生面で重要であり、家畜および畜産物の国際貿易上にも重要性があると認識される伝染性疾病」と定義され、報告は通常1年に1度行なわれますが、必要であればより頻繁に報告することとなっています。MPAIはリストAにもリストBにも規定されていません。
OIEのインターナショナルアニマルヘルスコード(Chapter 2.1.14)によると、HPAI清浄国とは少なくとも過去3年間、HPAIが存在していない国をいいます。また過去のHPAIに汚染されていた日数を算定するとき、発症の確認がされた最初の日から21日間を潜伏期として、最後の事例があってから6ヶ月間を影響が残っている期間として加算するものと定めています。
以上のようにOIEでは、AIのうち高病原性のものをHPAIとして定義していますが、日本では高病原性以外でも高病原性に変異する可能性があることから、特定のタイプ(H5、H7)については「家きんペストとして法定伝染病に位置付け、発生国からの鶏肉等の輸入は認めていない」。これは、いわば日本独自の予防的措置で、香港における大規模なHPAIの発生や、食と農のグローバル化による防疫対策強化の必要性から1999年4月、農林水産省が家畜防疫対策要綱として規定したものです。
今回の米国での発生について日本では、当初、発生国(米国全体)をすべて輸入停止にしていましたが、米国から提出された資料や現地調査、国内専門家の意見等を踏まえて検討した結果、米国との二国間の家畜衛生条件を改正(2002年2月22日)し、発生しているAIが低病原性のものであって、発生州における適切なまん延防止策が講じられている場合に限り、州単位での輸入停止措置を取ることとしています。
また最近、日本の養鶏業界団体や学識関係者などからは 「家きんペスト」という呼称について、低病原性まで含め人間への公衆衛生上の危険があると誤解される可能性があるとして、その呼び方を取りやめてほしいという要望も出ています。もともと 「家禽ペスト(Fowl Plague)」 という名称はAIの古い呼称で、国際的にはあまり使用されていません。

国際的なAvian Influenzaの定義(OIE)
| 分類法 | 病原性の高さ |
| 根 拠 | 高病原性AIは国境に関わりなく急速に伝播する重要性の高い疾病だから |
| 届 出 | HPAIはOIEのリストAに分類され、OIEに報告しなければならない MPAIはリストAにも、リストBにも定められていないため、OIEに報告する必要はない |


日本のAvian Influenzaの定義(家畜伝染病予防法)
| 分類法 | 血清の亜型に基づく |
| 根 拠 | 亜型H5、H7は将来高病原性AIになる可能性があることから |
| 届 出 | 家禽ペストは法定伝染病、トリインフルエンザは届出伝染病に指定されている |


